ネバリものが好きだ。
ネバリものとは、例えば、納豆。
関西系の方には申し訳ないが、納豆が無い朝は、
朝と認めたくない。
納豆が食べられなかった朝は、コケコッコと騒いで機嫌が悪い。
さあて、そんな私が機嫌の良くなる食べ物を拵える。
題して・・
<馬力和え(
ばりきあえ)>
ネバル食べ物を、
ひとつの器に入れて掻き混ぜようという試みだ。
では、その正体をお見せしよう。
★ 納豆
★ オクラ
★ メカブ
★ モロヘイヤ
★ つるむらさき
★ カジメ
★ 山芋
これらの、性格の粘っこい奴らを一つの器にぶっ込んで、
捏ねまわすのだ。
効果音を聞かせよう。
ヌチャヌチャ・・ニャチョニャチョ・・
ハシの動きは、激しい抵抗のあまり次第に遅くなり、
やがて、ネバリきった物体を空中に持ち上げるようになるだろう。
この物体の楽しいところは、団結心があるところだ。
誰一人として、落下する奴がいない。
みんな手を取り合い、肩を抱き合い、ネバリ合っている。
なぜか、ネバル奴らは、仲良しなのである。
「いや~
メカブ君のネバリには参ったよ、なあ、
山芋くん」
「ですねェ、私なんてネバリと云うよりィ、モチに近いですもん」
「
メカブさんは、海代表として鼻が高いでしょう」
「いんや、
カジメさんも海なんヨ。彼女、すっごい実力!」
「ちょっとぉ、
つるむらさきちゃん、何でここにいんの?」
「そう云う
オクラさんだって、ネバリ足んないんじゃない?」
『いいよナ、
オクラさんも、
つるむらさきちゃんも、日本代表だ
し』
「そうか、で、
モロヘイヤくんは、どこ出身だっけ?」
『ぼ・ぼくは・砂漠のある国です』
「アフリカなの?」
『ええ、ピラミッドとかあって』
「エジプトぉ?」
『ええ、元は』
「
モロヘイヤくんって、見た目は、一見ネバラない草だよネ」
『よく言われます』
「茹でると、私ら顔負けのネバリ方をするよネ」
『アフリカ、マラソンでは日本に負けたくないんで・・』
「そういう話か?」
『そういう話です』
「ネバったくらいで威張るな!」
『ネバらなかった方に言われたくないナ』
「ほんじゃ、水戸の黄門様に、印籠
納豆出してもらうぞ!」
『ひえ~~~』
「
納豆、良かったね、出番があって」
「ちょっと待って、何でボクだけ、呼び捨てなんですかぁ~」
「だって、
納豆だけじゃん、くっさいのは」
おくらの花料理