<ラザニア>
今、こう書いただけで、涎がドバっと出た。
ダイエットとか、健康とか全く考えないでよければ、
私にとって究極の大御馳走である。
小麦粉を捏ねた食べ物の中で、
あれほど見事な味に調理せしめた物体はないように思える。
その生地の合間合間に、挽き肉をねじ込み、
オリーブ油とガーリックの強烈なベース。
トマトピューレの酸味を加味し、
追い打ちは、チーズでコンガリ焼いてくれる。
おっと、又、涎が噴き出た。
もう、ずるい・・としか言えないラザニアの容姿だ。
しかも、一階建てではなく、4階建て5階建てに拵えてある。
食べる人の
気持ちの煽り方を、ほんとに良く理解している。
構造自体を容易に見せてくれない
狡さに感動すら覚える。
そこに、スプーンを入れる。
「ラザニアにはフォークでしょ」
という貴兄もおられるでしょうが、
私は、スプーンである。
スプーンでスパっと切り取った断面を、見てみたい。
断面と云ったって、チーズだのオリーブ油だのが、
垂れ下がり、崩壊寸前のビル状態である。
切り取るスプーンの動きにも、ヌチャネチャ音が纏わりつく。
ラザニアは、イタリアンレストランで、頂く。
ただでさえ、オリーブオイルとガーリックの香りに
溢れている場所に居ながらでさえなお、
ラザニアは、強烈な、惹かれる匂いを発している。
ニューヨークにあるイタリア系のコンビニには、
ラザニアが常に大量に、
バットに入って売られている。
好きなだけすくって、レジで重さを測って貰う。
バットごと買いたくなるのは、私だけだろうか?
もし・・・もしだよ。
お弁当にラザニアを詰めて会社に持って行き、
昼休みに、チンをして食べ始めたら、
社内ではヒンシュクをかうだろうか?
横浜ランドマークタワーより