鯛飯(たいめし)
最近、私のこのコーナーを拝読されている方々から、
こんな声を頂く。
「なんか、食べモノの話が多くない?」
「話の内容が、エンゲル係数高いよね」
ん~ごもっともで御座います。
いい大人が、食ってばかりのお話でいいのかな・・?
と、私自身も、ちょびっと危惧しておりました。
昔から、「腹が減った腹が減った」と騒ぐ奴に、
立派な人物はいないぞ・・と、父親から教育されたハズなのに、
腹が減ったどころか、
何をどう食ったか・・に拘わり続けている私なのだ。
ま、いっか。
どうせ、もう立派な人物にはなれないだろうし、
立派な人物は、誰かに頑張っていただこう。
私的には、視覚と嗅覚、
舌とノドと胃袋が連動して、立派な役目を果たしてくれれば、
満足なのである。
東に、素晴らしい
蕎麦屋があると聞けば、高速を飛ばして
食べにゆくのである。
西に、こだわりの
豆腐屋があると聞けば、
泊まりがけで、出かけるのである。
北に、
極太のサバがいると聞けば、舌を真っさらにして、
駆けつけるのである。
南に、新たに
インドレストランが出来たと聞けば、
長期間
カレー断食をして食べに行くのである。
そうそう、この
カレー断食はよく効く。
身体をカレーに飢えた状態に、干からびさせて置くのである。
ほんのちょっとのカレーの香りに、敏感な体に作り換えるのだ。
カレーって奴は、満腹状態でも、もう一口食べたくなる食い物だ。
だのに、
カレー飢餓状態で、インドレストランに入ったりすると、
目まいがして倒れそうになる。
注文してから、カレーが出されるまでが
待ちきれない。
スプーンをテーブルに叩きつけたくなる。
何とか気を紛らわそうとするのだが、
あの強烈な香辛料の匂いから、逃れるすべがない。
考えを他に逸らそうとするのだが、
ガーリックの香りが、強引にカレーを意識させる。
「ああ待てない!もう待てない!」コールが頭の中で鳴り響く。
こんな時、例え携帯電話が鳴っても、知らん顔だ。
私の身体はすでに、
「
すぐ来て!」
コールに耐えられない身体に仕上がっているのだ。
エクレア