津波発生装置
「イシマルさん、ここが世界一の津波実験施設です」
私、日本一と云う言葉に弱い。
もっと弱いのは
世界一だ。
神奈川県の久里浜に、
津波を無理やり起こす実験施設があるという。
無理やり起こし、そこに人間が立って、
実験台になるのだと云う。
「イシマルさんどうぞ」
どうぞと言われたって、
『はいそうですか』と受けられる話とは思えない。
なんたって、世界一の津波発生装置なのである。
そんな場所に、テレビの取材で乗り込んだのだ。
ほんで、私が実験台になる羽目になった。
全長180mのの水路。
幅、5m・・かな
高さ5m・・かな
そこに、ポツンと一人残された。
いよいよ実験が始まる。
周りを見回すと、
万里の長城の如き壁が、遥か彼方まで繋がっている。
私は、その谷間に鎮座しているワケだ。
振り返ると、50mほど後ろには、
テトラポッドが波止めで置かれてある。
万が一、アレに叩きつけられたら、痛いだろうナ。
痛いで済むかなア
「3,2,1・・」
いつの間にか実験は始まっている。
180m先で、何やら蠢いている。
っと・・重低音のおどろおどろしい音が響いてきた。
人を驚かせる効果音としては、最上級だ。
SF映画の何とかサラウンドの大迫力版だ。
(・・ん、アレは何・・?)
まるでヘビが鎌首を持ち上げたような、
奇妙な波が凄まじいスピードで押し寄せてきた。
ダダ~~~ン!!!
物凄い圧力に一度は耐えた。
しかし、津波の本体はそのあとだった。
ドダドダアアア~~~~~ン!!!!!
水の力は恐ろしい。
ウインドサーフィンでさんざん
波の恐怖を知っている筈の私でさえ、津波は別モノだった。
ああ~~怖かったぁ~
地震があったら、まず逃げましょう。
逃げてから、考えましょう。
逃げてから、貴重品の心配をしましょう。
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<ぶらり途中下車の旅>
5月30日、朝9;30~10;30 日本TV系列
渚のトタンペッター