<マンゴー>
わたくし的な果物の中で、マンゴーの位置は高い。
どのくらい高いかと云うと、
スーパーに買い物に行って、果物コーナーに佇んでいるとする。
まず、目が焦点を合わせるのが、
スイカである。
分割されたスイカを睨んでおく。
8分の1カットの神奈川三浦産が、480円だとチェックする。
そのシモにパック入りで鎮座しているのが、
サクランボだ。
佐藤錦ワンパック680円だと表示してある。
コレを高いと思うか、安くなったと思うか。
次なる、私の関心は、熱帯系の果物だ。
バナ~ナ、パパイヤ、キウイ・・
それらが並ぶ中で、必ず探す果物・・それが、
<
マンゴー>
つまり、私が好きな果物の、銅メダルに輝いたのである。
あの酸味と甘みが合体し、なおかつ、
ヌチャっとした食感に魅了される。
ただし、マンゴーの食べ方が解り難い。
フルーツカフェなどで出されるマンゴーは、皮が付いたまま、
包丁でサイコロ状に裁断され、
それをスプーンですくって食べる仕組みになっている。
アレが、気に入らない。
マンゴー一個を全部食べている気がしない。
どこかに無駄がある様な気がしてならない。
そこで、本日は、マンゴーの美しい食べ方のレクチャーだ。
包丁など要りません。
まずマンゴーを手に取りましょう。
解り易くする為に、名称を付けましょう。
尖った部分を、
アタマと呼びます。
その反対を
ケツと呼ばせて頂きます。
そんなハシタナイと思われた方は、私が<
ケツ>と言う度に、
頭の中で<
オシリ>に変換して頂きたい。
《マンゴーの食べ方》イシマル編
左手の指をすべて、空に向かってすぼめ、
その上に、マンゴーのケツを乗せます。
右手を使って、アタマから、爪で、皮を剥いでいきます。
この行為は、バナナの皮を剥ぐのに似ている。
もうこれ以上剥げないと云う所で、一息つきます。
ここで、いきなり、アタマの部分に
かぶりつきます。
ガブっ
種が出てきます。
その周りの果肉を削り取ります。
(う~んうまい)
さて、右手でその剥き出た種の一部を掴みます。
クルリと天地をひっくり返します。
今度は、右手の指が空に向かっています。
即座に、左手で、ケツの部分に残っている皮を剥ぎ取ります。
ヌルっ
間髪おかず、その剥き出たケツに
かぶりつきます。
ガブっ
種の端っこが出て来ます。
そいつを左手で掴みます。
両手を水平にします。
ほうら!
あなたは、今、右手と左手で堅い種の両側を掴み、
真ん中にマンゴーの果肉を見ているのです。
アニメのギャートルズのに登場する、
骨つき肉を想像して下さればいい。
ここまでで、あなたの指は殆ど汚れていない。
あとは、好きなだけマンゴーの果肉に食らいつけばいいのだ。
ガブガブガブ・・
種の周りの繊維まで、喰らいつくすのだ。
歯でホジホジするのだ。
マンゴーの美しい食べ方であった。
食べつくしたと云っていい。
猿でさえ、ここまで完璧には食べていないだろう。
ただし、このあと、困った問題が起こる。
歯に果肉の繊維が詰まる。
種の周りの繊維が思いっきり詰まる。
この繊維は、そんじょそこらの爪楊枝では取れない。
無理して取ろうとすると、爪楊枝そのものが、詰まってしまう。
爪楊枝の二重遭難である。