<爪楊枝>に怯えている事がわかった。
ご飯を食べている。
食べ終わった・・
歯に何か詰まっている。
そうだ、シーハシーハしたい。
爪楊枝に手を伸ばす。
ん・・?
爪楊枝が、無いじゃ~ん!
爪楊枝入れは有るのに、使い切って、一本も無いじゃ~ん!
すると、どうなる?
どうなるもこうなるも・・
歯に詰まった物質をほじくり出さない事には、次に進めない。
完全撤去しない事には、先に進めない。
脳みそに、こんな近い場所=至近距離で、
気になってしょうがない物質が詰まっている状態を、
看過できない。
うぅうぅ~~
爪楊枝が無い怨念が渦巻く。
そんなある日、スーパーの通路を歩いている。
ふと、立ち止まる。
目の前の棚に、爪楊枝のパックが、私を手招いている。
「有ったかナ・・?」
ん・・とぉ~有ったような・・無かったような・・
自宅に無い確率は、3%だろうと解かっているのだが、
無かった時のショックが、私を苦しめる。
『さあ~買いなさい~さあ~買うんだよ~』
爪楊枝が無かった時の後悔が、私を津波のように襲う。
ハッ!
気づくと、レジで爪楊枝がカウントされている。
ハッ!
気づくと、台所の引き出しが開けられている。
ホンギャッ!
(こ、これはなんだ!)
引き出しの中に、
数個の爪楊枝ケースが並んでいるではないか!
ひとケースに何本入っているのだろうか?
こ、こ、こんなに歯をホジホジするのだろうか?
何ヶ月分だろうか・・?
いや、何年・・・
ごべんなさい、地球資源を、傷つけました。
生涯かけて、ホジホジに、いそしみます。
んで、わかった・・
爪楊枝は、食卓系で怯える代表選手である。