たわわな稲穂
一昨日、
私はセミ捕り名人であると豪語したら、
ンナ馬鹿な・・と、一括された。
素手で、セミが捕まえられるワケがない・・と一蹴された。
なぁんだとぉ~
よおし、こうなったら!
今日は、誰にも言わなかった、
取って置きの特技を披露しよう。
世間的には、さほどカッコいい内容ではないので、
今まで、伏せていたこの
特技を,ついに喋る時がやってきた。
生涯喋らないだろうと思っていたのに、
思わぬ所で、暴露してしまう羽目になってしまった。
最初に言っておく。
この技は、良い子はマネしてはいけません。
悪い子もマネしないで下さい。
さあ、随分引っ張ってしまったその技とは!
私は<
ハエ捕り名人>である。
ハエ捕りったって、ハエたたきだの、新聞だのと
ずるい道具を一切使わない。
セミと同じの、
<素手>である。
素手で、ハエを捕まえるのだ!
意味が、わけ分からないアナタ・・
アナタの目の前にブ~ンブ~ンと、
うるさくハエが飛んでいるとするでしょ。
すると、アナタは、思わず手で払ったり、
キンチョールスプレーを探したり、パニくったりするでしょ。
「タクは、この数年ハエを見た事がありませんことヨ」
という方は、しばし、ジャグジーにでも浸かっていて下さい。
私は、部屋の中にいるハエを、
素手で捕まえるのだ。
誤解される前に言っとく。
そのハエが、どこかに止まった瞬間に捕まえるのだ。
ブ~ン・・ピタッ
ハエが、机の上に止まった。
ハエ捕り忍者イシマルが、ジワリと動きだす。
気配を消しながら、
究極のだるまさんがころんだを始める。
ハエにとっての右側に近づく。
イシマルの右手が、だんだんハエの頭部に近づいてゆく。
ここで、肝心なのは、
<
捕まえる殺っ気>をハエに悟られない事だ。
一閃!
右手が空をかいた・・
見ていた誰の目にも、何が起こったか分からない。
やがて、私が手のひらを開けると、そこに、
ハエがびっくりした顔をして佇んでいる。
こうして、私は、ハエ社会では、
殺蠅鬼(
さつばえき)と呼ばれ、お訪ねモノとなっている。
その後の銀座の稲作