ラム好きである。
マトン好きである。
ジンギスカン好きである。
ひっくるめて、まとめると・・
ヒツジ好きである。
「え~イシマルさん、この間、
鳥の手羽先が好きって言ってたじゃないですかあ~」
「え~イシマルさん、
トン=豚が大好きって言ってたじゃないですかあ~」
うん、言ってた。
今は、それ忘れよ。
だってネ、今、北海道にいてね、
目の前のカンバンに、魅惑あふれるフレーズが、
バンバン灯されてるんだよ!
<生ラムの店>
<ラム焼き>
<ジンギスカン>
私に涎を噴出させる為に、
わざとカンバンを配置してあるとしか思えない程の、羅列だ。
ラム屋の隣にジンギスカン屋がある。
その隣に、ラム屋が軒を連ねている。
ラム屋とラム屋が肩を組んで、煙と匂いの狂おしい饗宴だ。
道行く者は、誘惑と云う言葉に押しひしがれ、
ついに根負けして、ノレンをくぐる。
ラムの餌食になる。
いや、自らがラムを餌食にする。
ラムを喰らう
ライオンと化する。
ラム(羊の幼子)を手に掛けた途端、急に野生化する。
「オラぁヨ、本来、野獣だったんだ!」
無理やり納得したりする。
七輪の上で、モウモウと焼かれるラムを見ながら、
人間の進化の過程を、思い出したりする。
牛や豚では有り得なかった
<喰らう>と云う感覚を体感する。
そう、ヒツジの肉にいったん惚れたら・・
もう後戻り出来ないかんネ!