あたった。
食い物にあたった。
芝居の旅の途中で、ひどく腹が痛みだした。
ホテルのバスルームから、出られなくなった。
七転八倒こそいなかったものの、二転三倒くらいした。
何にアタッタのだろう? 食ったモノを思い浮かべる。
昨日食べたモノを一つづつ辿ってみるものの、
ほとんどが、皆と同じものを食べている。
ところが腹イタは、私だけだ。
・・とそこへ、もう一人、食いしん坊が、腹を抱え出した。
おう、やはり同胞がいたか!
っと、ほどなく更に、もう一人。
合計3人の腹イタ患者が現れた。
そこで、考察が始まる。
《3人しか食べていない食材を探せ!》
3人が食べ、3人しか食べていないモノ・・
昨日と一昨日まで、捜索範囲を広げる。
コレは君と僕は食べたが、アンタは食っとらんナ。
コイツは、僕とアンタは食ったが、君は食っとらんナ。
アレでもない、コレでもない。
あれぇ~~無いじゃ~ん。
その時、ある盲点に気づいたのだ。
食中毒とは、すぐに発症するものだ・・と考えていた。
そこで、更に、3日前の夕食に思いを馳せた・・
おお~~!
あったあった!
<カキ>だあ!
3人で、殻付きの岩ガキを、焼いて食ったではないか!
いぎたなく、半生で、シャブルように、食ったではないか!
フタに残った貝柱を、
未練たらしく、こさいで食ったではないか!
アタルべくしてアタッタのである。
食い物でアタッタと聞けば、想い起されるのが、
真っ先に<
カキ>だ。
「いや、
生レバーだな」という方もおられる。
『いやいや、
シメサバを忘れて貰っちゃ困る』
と、サバ信仰極めた方もいらっしゃる。
そこで、あなたに問いたい。
《カキ、生レバー、シメサバ》
この3つに全部アタッタ事のある人、はい、手を挙げて!
迷わず、挙手したアナタ!
アナタは偉い! 私の同胞です。
肩を抱き合い、スキップを踏みましょう。
ついでに、私の場合、マグロの頭でもアタッテますデス。
で、お腹はどうやって治したかって?
そんなん、アレ飲んだに決まってますヤン。
パッパラパッパア~