北海道<函館>に行くと、人は何をするか知ってますか?
<朝市>に行くのだ。
猫も杓子も、朝市に出かけるのだ。
カニだのシャケだのが、わんさかと売られているらしい事は、
テレビや雑誌の報道で、薄々知っている。
自分に買う気があるのか無いのか、自信がないまま、
足はすでに、朝市に向かっている。
朝市は、朝6時からやっている。
だけど、朝一に行く必要はない。
だらだらといつまでもやっている。
夕方行ったら、まだやっていた。
昼市と夕市も兼ねて、営業しているらしい。
朝市の代表選手は、なんと言っても、<カニ>だ。
生きてるの、茹でられたの、赤いの、茶色いの、トゲトゲだの。
次から次と押し寄せる送迎バスから吐き出される
観光客全員が一匹づつ買ったとしても、
びくともしない数のカニが並んでいる。
「さあ。食べてみてよ~」
試し食いに、皆、余念がない。
清水の舞台から飛び降りるつもりで、
実家に、3匹送ろうとしているお母さんが、
試し食いのカニを爪楊枝で、ホジホジしている。
足一本食べても、まだ味が
よく分からないらしい。
何度も首を傾げながら、
よく分かる為に、もう一本食べようとしている。
「はあ~い、イカ釣りだよお~」
泳いでいるイカを釣ってみろと、誘っている。
釣れたらどうするのかと、不安でいると、その横のテーブルで、
お好みの食べ方をさせてくれると言う。
朝っぱらから、イカの刺身かあ~と首を傾げていたら、
そのテーブルで、イカの刺身を、
生ビールジョッキで流し込んでいるお父さんがいる。
そうか、ここは、休日の観光地だった。
とはいえ、今、朝7時だよな。
イカ刺しお父さんは、今日一日どうするんだろう?
「さ、さ、さ、シャケ持ってって!」
持ってってと簡単に仰るが、それ、シャケ一匹でしょ。
「ほいほい、最大だよ~でかいよ~」
だから、その
最大が問題なんだなあ・・
もの凄くデカイよね。
家族4人で食べたとしても、
何日間シャケと付き合わなければならないかな?
シャケは嫌いじゃないけど、
毎日食べるもんでもない様な気もする。
「おにいさん、コレはね、只のシャケじゃないよ、
トキシラズだよ!」
なぬ?
あの滅多にお目に掛かれないと言われている
トキシラズってかあ~
あまりの美味さに、目ン玉が裏返ると言われている、
トキシラズってかあ~
私の右手は、
おケツのポケットに知らぬ内に伸びているではないか!
朝市に行くと、人は何をするか知ってますか?
お尻のポケットを撫でたりさすったりするのです。
朝市 俯瞰