男は、電動カミソリが必要な動物である。
男は、電動カミソリに、毎日お世話になっている。
男は、電動カミソリに、ことのほか神経を使っている。
コダワリを持っている。
朝、髭がうまく剃れなかった日には、一日機嫌が悪い。
剃り残しを、恨めしそうに一日中触っている。
触っていさえすれば、剃り残しが無くなるとの、
錯覚に陥っている。
今朝、自分の電動カミソリをじっと見つめた。
コイツは山田電気で買い求めて、かれこれ3年は経っているナ。
ちょっと高めの値段に、しばし悩んだ思い出があるナ。
高ければ、剃り味が良いものでない事は、知ってるのだ。
自分の
髭との相性が問題なのだ。
それでも、二枚歯、三枚歯、最近では四枚歯などという
宣伝文句に、ヨロリとしてしまう。
以前は、<ロータリー>という文句に弱かった。
最近では、<リニア>が、私を誘い続ける。
<そのまま、水で洗える> のは、常識化してきている。
昔懐かしの丸い形状の物は、殆ど姿を消した。
イタリアのデザイナー、ジウジアーロが設計しそうな、
流線型が主流を占めている。
そのうち、フェラーリや、ポルシェあたりが、
髭ソリ業界に参入してきても不思議でないだろう。
それとも、すでに、乱入しているのだろうか?
最大の問題は、電動カミソリを買う電気屋では、
<試し剃り>が出来ない事だ。
様々な病原菌問題の為、お試しが出来ないのだ。
つまり、この電動カミソリが自分に合っているかどうか・・
試せずに、買う以外にない。
買って帰り、ジョリジョリしてみて、
「あれ~ダメじゃ~ん!」
となっても、もうあとの祭りである。
その剃り味の今一の電動カミソリと、
これから数年間付き合わなければならない。
なかなか壊れてくれない電カミに、
毎朝、小言を言わなければならない。
やはり、最大の問題は、
《値段が高ければ良く剃れるものではない》点だ。
ブラウンさんにお願いしたい。
《
値段が高ければ、良く剃れる電カミ》を作ってくれるか、
《
お試しが出来る電カミ》を作ってくれるか、
どっちか、やって!