琵琶湖
私は、<せっかち>である。
世の中には、せっかちな人がたくさんいる。
そのせっかちグループの為に、是非作って頂きたいモノがある。
<せっかちホテル>
では、
せっかちでないアナタに、このホテルに入って頂きこう。
まず、入口の自動ドアに驚かされる。
開くのが、
もの凄く速い。
開くところが見えない位、速い。
たとえ、アナタが、小走りに走りこんでもブツカル心配はない。
(安全の為、閉まるのは通常のドアと変わりない)
次に、フロントだ。
フロントに着くと、アナタはカードを所定の機械にかざす。
ピッ
すると、フロント係りはすぐにキーを渡してくれる。
なんだかんだメンドクサイ手続きは、すっとばす。
キーをポケットにアナタは、エレベーターに向かう。
このエレベーターがびっくりなのだ。
ドアは、やはり
速や開きである。
閉まるのも、やや速い。
10階のボタンにタッチする。
グイィィィィ~ン!
激しいGが掛かる。
そう、このエレベーターは、
超高速なのだ。
通常15~20秒かかる10階まで、3~4秒で行ってしまう。
動き出しのG(加速圧)は、凄まじい。
このGに耐えられない方は、乗ってはいけない。
当然、10階に到着する時には、
一瞬身体が浮き上がる。
瞬間的に宇宙の無重力を味わえる。
コーヒー片手に乗らない方がいい。
着いた時には、ドアが開いている。
着きながら、開いたと云ってもいい。
超せっかちさんは、着いた反動で飛び上がりながら、
フロアに飛び出すと云う。
1025ルームに向かう。
節電の為に暗くしてある廊下が、進むに連れ明かりが灯る。
1025の手前、5mのところで、
ガチャリとドアのロックが外れる。
さっきポケットに入れておいたキーに反応しているのだ。
両手が塞がっているので、
足でドアを押す。
足で押す部分がゴムになっている。
ガチャリ・・ドアが閉まる。
そこで、せっかち野郎はつぶやくのだ。
「ふふ・・いい流れだったナ」
怒っているハリセンボン