ついに、打ち体験してしまった。
<蕎麦打ち>
「え~まだやってなかったんですかあ~?」
そうなのだ。
恥ずかしながら、
まだ蕎麦を最初から最後まで打った経験がなかった。
蕎麦打ちとは、体験モノの中で、ベスト3に入る人気を誇る。
「体験モノを語る時、まず蕎麦を打ってからにしなさい」
とまで言う方もいる。
体験モノの王様<陶器作り>を越えたと言う方もいる。
不惑を越えたら、蕎麦を打てと言う方もいる。
(全部、私が言っている)
遅まきながら、私も手を出した。
師匠は、
タメトウさんである。
師匠とはいえ、タメトウさん自身も、
まだ12回しか打った経験がない。
しかし、見た目が、師匠に相応しい風貌をしているので、
師匠と呼ばせてもらう。
初めてという事で、二八蕎麦にした。
いよいよ蕎麦打ちだ。
石臼で挽く工程は、免除してもらった。
混ぜ合わせた粉に水を加え、うんせうんせと捏ねる。
菊練りなる捏ね方に、私のカイナが盛り上がる。
ふむ、丸くなったな。
次に、麺棒で伸ばしてゆく。
うどんの様に腰がないため、スルスルと伸びる。
最後に、裁断だ。
専用の包丁で、ガスンガスンと切断する。
慎重に細く均等に刻んでゆく。
最初の内は良かった。
切り進むに連れ、
集中力が途切れ、雑談を始めてしまった。
タメトウ師匠の楽しいお話に
相槌をうってしまった。
蕎麦打ちの天敵は、
相槌打ちである事に、気付いていなかった。
結果は、茹で上げ、ザルにあげた瞬間にわかった。
幅広、やんけ!
そば
きしめん、やんけ!
ほんで、お味の方は・・・
相槌は、食べる時にしましょう。
「旨いな」
『旨いですネ』
ジャグジーに浸かる師匠タメトウさん