4キロ
今日、この話をするのをためらっている。
あなたは、私を軽蔑するだろうか?
これを暴挙と言わずして何と言うのだろうか?
いつかやってみたかった。
生涯に一度やってみたかった。
<牛肉を分厚いまま、焼く>
やってしまった。
買ってしまった。
人数が揃えば、割安になるだろうと高を踏んで、
高級牛肉をなんと!
10キロ!
ひえ~~~!
清水の舞台から飛び降りたら、地面に井戸があって、
その奈落まで落ちていった気がした。
奈落の底で考えた。
普通のステーキにしたのでは意味が無い。
生涯に一度と、清水から飛び降りたのだから、
それなりの
覚悟ある食べ方をしなければ・・・
肉屋『はい、らっしゃい』
イシマル「すみませ~ん、塊で10キロ下さい」
肉屋『ジュッ・・・』
イシマル「5cm以上の厚さに切って下さい」
肉屋『ゴッ・・・』
イシマル「ステーキを立てたいんです」
そう、冒頭の写真の肉は立っている。
「皆さん、これが4キロの肉です」
集まった直立不動の25人の前で演説した。
普段、大きな肉の塊を見たことがない人には、
10キロの肉の量が把握できない。
私も出来ない。
ひとり頭
400gが胃袋に落ちてゆく・・
と云う予感に浸って貰った。
400gと言えば、
1ポンドに近い。
草食のDNAを拵えてきた日本人が口にする単位ではない。
生涯に一度の覚悟だと、
これくらいの暴挙でなければ、納得しない。
25人のノドボトケが、上下している。
屋外で焼いた。
炭で焼いた。
老若男女25人なので、さほど食べない人も出てくる。
その分、食べる輩も出てくる。
500g食べた輩も出てくる。
(私だ)
最後にお見せしよう。
缶ビールの直径より厚い肉塊を!