静岡県の焼津と云えば、漁港である。
遠洋漁業から帰ってきた船が、岸壁に横付けにされている。
その船に近寄ってみた。
ガランガランガラン!
けたたましい音が鳴り響いている。
グオオオ~~ン!
クレーンに釣りあげられているのは、
<冷凍カツオ>
船の腹の中から、これでもかこれでもかと、
カツオが釣りあげられてくる。
600トンのカツオが、この船に食べられたんだそうな。
600トン?・・想像出来ない量だ。
カツオに混じって、他の魚も掛かっている。
マグロ、カンパチ、カワハギの仲間、サメなど。
みんな、コチコチの冷凍だ。
-50℃の冷凍なので、少々外気に晒されても、
溶ける気配がない。
試しに持ち上げて、頭にぶつけてみたのだが、
ガツンっ!
目から火が出た。
石より、堅かった。
コレは凶器になる。
<冷凍カツオ殺人事件>
という2時間ドラマが出来るかもしれない。
しかし、この表題だと、凶器がすでにバレてしまってるナ。
その冷凍カツオが、所々、
地面に落ちている。
転がっている。
ベルトコンベアの枠からはみ出して、落ちたらしい。
誰も拾おうとしない。
拾っても、又、すぐ落ちるヤツが出る。
だから、拾わない。
近くにカモメや猫もいるのだが、泥棒の対象にならない。
なんたって、コチコチ、頭ガツンッだ。
触ろうものなら、すぐ凍傷にかかってしまう。
この冷凍カツオは、やがて鰹節に姿を変えるのだ。
どこまでいっても、
堅いヤツである。