枇杷(ビワ)好きである。
果物の中で、3本の指に入ると言っていい。
しかし、スーパーや果物屋さんで売っているビワには、
たいして興味がない。
そそられるビワは、ビワの木にタワワに成っている実だ。
夏も近づいた頃、ちょいと郊外を散策すると、
民家の庭に、黄色い実がタワワに成っている。
一本の木に何百個という実が成っている。
誰も、採らないのか、熟して地面に落ちた実もある。
私が、小学生の頃には、こんなビワの木を見た事がなかった。
飢えた子供が、ビワの実を見つけると、
黄色くなったハシから、モイデ食べてしまうので、
ビワの木に、黄色い実が、
大量に成っている光景は見られなかったのである。
このガキ共のおかげで、
結果的に<まびき>をしている状態が維持され、
ビワは常に、甘酸っぱい美味しさが保てたのだ。
ところが、今や、何百という成熟した実に、
すべての栄養が分散するセイか、
甘みより、酸っぱさが勝ってしまっている。
かぶりついたその口が、思わずスッパ~の形をしてしまう。
実は、私は、ビワのその
酸っぱさが好きなのだ。
初夏の陽射しに汗をかきながら、
ビワの酸っぱさを味わう!
勿論、ビワの木の下で・・・
時折、
「コラ!」
の声に、走って逃げなければならないが・・・