ナカヒラ君との将棋対戦が続いている。
<飛車角落ち>のハンディを負って戦うイシマル。
それでもなかなか勝てないナカヒラ君。
イシマルがインチキをやっているに違いないと、
確信しているナカヒラ君。
どうやっても、勝てないことに業を煮やしたナカヒラ君は、
ついに、
奥の手を出してきた。
王様が追い詰められ、絶体絶命の危機に陥った。
するとだ、
思いも掛けない所に、王様が逃げたのだ。
しかも、駒が立っている。
これは、最早、
違反とか
失格とかのレベルではない。
本人は、ここに逃げたいと主張しているのだ。
コレを認めないなら、今後、将棋はしてあげないヨ・・と、
脅しているのである。
勿論、無言のままで。
う~む、どうしたものか・・
こんな手があるとは、思ってもみなかった。
うかつだった。
ナカヒラ君の
人間力を甘くみていた。
しようがない。
私も、奥の手を出した。
「まあまあ、ビールでも飲んで・・」
ナカヒラ君の人間力は、ビールの力には勝てなかった。
あっさり、負けを認めたのである。
「よおし、もいっちょやろう!」