ツッシーの恐怖体験だ。
その日、ウインドサーファーのツッシーは、
ハイエースで富士五湖の道を走っていた。
快適なドライブだった。
ソレは突然やってきた。
バシっ!
フロントガラスが、何物かに塞がれたのだ。
時速60キロで走行中だ。
「なんだコレは!!」
目が付いている、
こっちを見ている。
ト・・
トンビ?
トンビが羽を広げて、
フロントガラスにヘバリツイテいるじゃないか!
左右の羽を広げると、1メートルあるトンビだ。
ぶつかったものの、
風速に押されて、逃げられなくなったのだ。
ツッシーは慌てた。
羽の隙間から、前方を覗き見る。
隙間が少ない。
必死にハンドルを握りしめ、スピードを落とす。
しかし、急ブレーキをかけるとよけい危ない。。
相変わらず、トンビはヘバリツイタままだ。
イーグルが羽を広げた紋様の絵を見た事があるだろうか?
首を片方に傾けた堂々とした姿である。
まさに、あの形にヘバリツイテいるまぬけなトンビだ。
やがて、車はスピードを落とし、
トンビは、ズルズルと滑り落ちていったそうな。
後ろを振り返ったが、道路にその姿はなく、
何とか無事脱出した模様であった。
ただし、フロントガラスには、羽やら、汁やら、
いろんな汚物がこびりついていたそうな。
トンビの羽に隙間があって良かったね、ツッシー。
恐怖体験を語るツッシー