~昨日の続き~
その日、ツッシーの友人A君は、ハイエースを走らせていた。
っと、道路前方に大きな物体が、転がっているのが見えた。
恐る恐る、近づいてみると、大きな犬が、死んでいたのだ。
ギョロ目を向いた姿は、痛々しかった。
明らかな轢死体で、
完全に死んでいた。
あまりの事にA君は、ハンドルを切り、
その場を離れた。
夕食時であったので、近くにあったレストランに入ったのである。
しばしの夕食後、店を出たA君は、驚きの声を挙げる事になる。
目の前の歩道に、先ほどの犬が、
ギョロ目を剥いて斃れているのだ。
先ほどの死亡場所から、10m以上移動しているのだ。
こっちを見て恨めし気な顔をしている。
い・・生きていたのか!
いや、そんな筈ない!
死んでいた筈だ。
「うぅ、そんな目で見ないでくれ・・」
A君は、その場を去った。
しかして、2年後、その話を皆にしていたのである。
「い・犬がネ、怖い目をしたまま、移動したんですヨ!」
すると、その場にいたツッシーが、A君の話終わるや、
『僕が、その犬を移動させたんですよ。交番にも届けたけどね』
偶然が重なると、ちょっとした事が、恐怖体験に変わってしまう。
怖~い話って、そんな
偶然の重なりかもしれない。