ウインドサーフィンなど、スポーツの合宿をする機会がある。
旅館に泊まり、雑魚寝である。
8畳ほどの部屋に、4~6人が、布団を敷いて眠る。
まるで、修学旅行だ。
違いは、お酒を呑んでいるか、いないかである。
さて、お酒を呑んでいるおじさん達は、イビキをかく。
かなりかく。
「ゆうべ、
恐竜が出たな」
そんな会話が朝食の時、かわされる。
ところが、恐竜本人は、自分の話だとは気づかない。
当然、次の合宿の折、恐竜は警戒される。
食事をして、部屋に入り、「さあ寝るか」となるとだ。
「イシマルさん、ココでお願いします」
ん・・?
見ると、押入れの中に布団が敷かれてある。
確かに、押入れとは、布団の大きさぴったりである。
そこに寝れと言うのだ。
酔っ払ってフラフラの私は、反論の余地もなく、
押入れに倒れこむ。
バチンっ!
フスマを閉められた。
その上、バサバサ・・
マットレスを立てかけている音がする。
にわかづくりの、
防音装置を拵えているらしい。
くぐもった声が聞こえる。
「恐竜を閉じ込めたゾ」
ふ~ん、いいもん、爆睡してやる!
相模湾横断の後、自ら半分だけ、押入れに入った私。