稲田に映る由布岳
《電動ヒゲソリの方向性》
ヤツは、ヒゲソリ音を小さくしようとしている。
昔々のジャリジャリとヤカマシイ音をたてた頃を反省し、
いかに音を小さくするかに、精力の30㌫を注いでいる。
いかに剃り味がいいか、
いかに剃り残しがないか、
いかに深剃りがきくか、
CMで詠っているが、実のところ、音量を少しづつ、
小さくしているのである。
音量を小さくする方向のみに、腐心してきた。
これがだね、進化しているようだが、気に入らない。
剃っているという感覚が薄くなる。
男の朝の儀式として、力強さに欠けるのである。
そこでだ。
私は、こんな電動ヒゲソリを作って貰いたいのだ。
《
剃り音を必要以上にデカクするヒゲソリ》
チリッ程度の音は、チャリッに、
チャリっならば、ジャリッへ。
器械が動く音量はそのままに、ヒゲがカットされる音だけ、
大きく表現する。
これは、アレに似ている。
<カラオケ>
たいした事ない我が歌声を、
必要以上に大きく美しく聞かせる。
コンセプトは、同じである。
「ああ、今朝の剃り具合は、アップテンポだナ」
「おお、今のジョリッってとこは、コブシがきいてるナ」
「きたきたクライマックス!」
ジャリジャリという誇張された音量で、
ヒゲソリという、収穫に似た野生を取り戻すのである。
「剃れてる!大量に剃れてる!」
ばたやん作ってくれないかなあ~