ついに、買い換えることとなった。
20年近く働いてきた冷蔵庫が、パンクしたのである。
数年前から、深夜に奇怪な音を発したりしていた。
ある夜などは、
「スワッ、ポルダーガイストか?」
凄まじい振動に、ベッドから飛び起きたりした。
それでも、ナダメつ、オダテつ・・
なんとか、ビールを冷やし続けてくれた。
その冷蔵庫が、とうとう寿命を迎えた。
動けば、熱くなる機械や、動物などの中で、
冷蔵庫とクーラーは別格である。
動けば動くほど、冷たくなるという、反自然的な働きをする。
頑張る=熱血
の図式が成り立たない。
「頑張れ!」
冷蔵庫が、ストライキを起こす度に、掛け声を掛けてきた。
頑張れと言われた冷蔵庫は、冷静さを取り戻し、
わが身を冷たくする。
我々は、冷蔵庫から学ばなければならない。
頑張るという言葉には、<力を入れる>という意味の他に、
<冷静になる>という含みを持たせなければならない。
先日のサッカーワールドカップで、
頑張れニッポンの標語の元、
「闘莉王を冷やせ!」という言葉が、新聞紙上を賑わした。
あれは、・・
「えっ、なんだって?
新しい冷蔵庫が寸法が
1センチデカクて、入らない?」
ガ~~~ン