「おっ、競艇場があるじゃないか!」
フラフラと車を走らせていたら、江戸川競艇場が現れた。
20代前半、足繁く競艇場に通った私としては、
ちょいと覗いていかねばならんわナ。
ちょいと覗くのに、100円の入場料を取られる。
予想新聞を購入すると、500円取られる。
ううぅ、足踏みする。
公営ギャンブルとはいえ、ギャンブル場では、
無駄なお金を一切使わないのが、ギャンブラーの掟なのだ。
(いつギャンブラーになったん?)
競艇場も30~40年も経つと、様変わりしている。
馬券ならぬ、舟券(ふなけん)の発券方法や、
オッズの表示方法も違っている。
オール電化、デジタル化である。
その中で、唯一全く変わっていないのが、
<予想屋>
当たりを予想して商売しているオジサンである。
勿論、正規の職業で、場内で営業している。
営業ったって、一畳ほどのスペースを50センチほど、
嵩上げし、その上に立って、次のレースを予想するのである。
だみ声を張り上げ、レース展開を流暢に喋りまくる。
軽妙な喋り方に、思わず聞き惚れる。
ただし、肝心の予想着順は口にしない。
解るような、解らないような所で、話を終える。
知りたい人は、オジサンの前に行き、お金を差し出すと、
その見返りに、手の中に、一枚の紙を滑り込ましてくれる。
そっと、開けてみる。
<3-5、5-3、4-3>
などと、書かれてある。
ほんじゃ、コレを信用して、買おうっかな!
ってな事になって、レースが始まり、
まさに、その<
3-5>が当たったとする。
すると、その予想屋は、次のレースの前に、
その結果と自分の予想結果をデンと張り出し、
どうだとばかりに、胸を張るのである。
胸を張られると、次もその予想屋に頼りたくなる。
結果、その予想屋は繁盛する。
(予想屋さんは、何人もいる)
一種の人気商売である。
完全実力主義の人気客商売である。