<ウイークリーマンション>
しばしば、利用させて貰っている。
さあて、今回は、都内だ。
どこにしようか?
赤坂だの青山だのでは面白くない。
ふんではってんで、こんなとこに、宿を構えてみた。
<馬喰町(ばくろちょう)」
昔、馬関係の方達が闊歩していた土地だ。
きっと、下町の長屋が連なっているだろうと、
勇んで、向かった。
う~む・・・ビルだらけだ。
コンクリージャングルだ。
四角四面の道路にの両側に、服屋さんがズラリと並んでいる。
そうだった。
ここは、服飾関係の街だった。
「お願いしま~す」
ウイークリーマンションに辿り着いたら、そこは、
馬喰町の交差点の角っ子だった。
鍵を貰うと6階だった。
その時はまだ、ウキウキしていた。
「都会の真ん中に住むんだあ~」
楽しい夢を見ていた。
その夜・・・
ゴオオオオオ~~~!
キーーー!
ブオオン、ブルブルルル~!
窓の外から、大騒音が我が部屋に押し入ってきた。
そうだった。
都会は、車だらけだった。
特に、交差点は、容赦ない車の洪水に襲われる場所だった。
更に申せば、、
洪水は昼も夜もないのだった。
特に、夜の静寂の中に襲ってくる、轟音は睡眠どころではない。
「ううぅ・・眠れない・・」
枕を見つめながら、呟いている私は、それなりに不気味だった。
「ううぅ、明るい・・」
都会の道路の照明は、常に明るさで勝負している。
ウイークリーマンションのカーテン如きでは、防ぎきれない。
「眠れな~い」
こ、こんな事で根を挙げるようでは駄目だ。
《何事も、慣れろ》
と言うではないか!
オマエは、もっとひどい環境に暮らしていたではないか!
そうだった・・あの《ボイラー室の隣の部屋・・・》
おっと、紙面が尽きた、又明日~