アザラシは愛嬌ある顔をしている。
っと、私達人間は考える。
だが、自然界の動物達の間でも同じ考えをするのだろうか?
《アザラシは可愛い顔をしている》・・と。
動物の顔は、
怖い顔と
優しい顔に分れているように思える。
怖い顔の筆頭は、ライオンだ。
トラや、ヒョウを連ねてもいい。
彼らは、実に恐ろしい顔をしている・・と人間は考える。
そして襲われる側に立つと、実際恐ろしい所業をしている。
つまり、あの顔は、人間が見ても、動物が見ても、
<恐ろしい顔>なのだ。
普遍的に恐ろしい顔を、DNAが作り上げたのだ。
では、アザラシはどうなのだろう?
彼らは、捕食動物である。
魚を食べて暮らしている。
サメと大差ない。
いや食欲からすると、サメ以上だ。
魚にとっては、ライオンと同列に語りたい野獣である。
ところで、
魚の顔を正面から見た事がありますか?
魚は総じて、《怖い顔》をしている。
横顔は呑気な顔をした魚でも、正面から見ると、
ライオンを震え上がらせんばかりの恐怖の大王だ。
なぜ、あれほど怖い顔になったのか、いずれ研究してみたい。
その魚を捕食するアザラシだと云うのに、
なぜか、穏やかな顔つきだ。
穏やかどころか、愛嬌たっぷりで楽しませてくれる。
するとこう云うことか?
ライオンのように、哺乳類が哺乳類を襲う場合は怖い顔になり、
哺乳類が魚類を襲うという、かけ離れた種に手が掛かる場合は、
怖い顔になる必要がないと云うのだろうか?
魚たちに聞きたい。
あの顔を《怖い》と、しっかり感じているんだろうネ。
まさか、
愛嬌あるとか思ってないだろうネ。
彼らが、逆立ちとか玉乗せとか、
芸をしているのは知らないだろうネ。
ごめんネ、
あんな顔したライオンを海に放って・・