《丼は、アナタの計画性を育てている》
丼モノは、食事における、最小フルセットである。
コース料理がすべて、丼に盛られている。
中でも、
ウナ丼は、その最たるものだと言っていい。
ウナギとご飯だけ!
これだけで、食事を終わらせろと、せまっている。
おしんこと肝吸いを、どけとくと、
超のつくシンプルなごちそうである。
丼に対抗して、お重という重厚さが売り物の、うなぎモノがある。
お重の方が、高いに決まっている・・と思っていたら、
以外や、ウナギの本場、浜松では、
お重も丼も値段は同じだった。
だったら、だれでも重を頼むだろうと決めつけていたら、
お店の方にさとされた。
「丼でなきゃダメという方もおられるだラ~」
浜松では語尾が、ラ~となる。
「いただきま~す」
ハシを割り、ウナギお重を持ち上げる。
この時、持ち上げ方にまず悩む。
横に持つのか?
縦に持つのか?
横に持つのは、難しい。
端っこを掴むので、力がいる。
掴む場所が、細いワクなので、どこをどう持てばいいのか、
格闘せざるをえない。
その上、持っている場所の近くに、ご飯を寄せてゆくので、
指先に、シルご飯がくっついてしまう。
その点、
縦は持ちやすく、力もいらない。
ただし、
料理を縦に食べていいのかと云う問題にぶつかる。
仮に、このウナギを皿に並べて食べようとしているとすると、
縦に皿を置いて食べている風になる。
この食べ方は、日本人としては、許し難いだろう。
サンマの塩焼きを、
縦に置いて食べている姿を想像すればわかる。
実際、私の隣で、縦に持ち上げて食している友人は、
品位がワンランク下がった感がある。
どちらもイヤだ、
品位に欠けると云うので、
持ち上げずに食べている友人もいる。
しかし、彼の場合、最初の内は良かったが、
食事の後半になって、苦しみ出した。
どうしても、ごはんつぶが、うまく拾えないのだ。
ちぎったウナギを擦り付け、なんとかご飯をまとめているのだが、
箱から、浮かすことが出来ない。
そりゃそうだ。
絶壁が回りを囲んでいるのだから・・
仕方なく、箱ごと持ち上げている。
品位が下がった。
あげく、横つかみでは、かき込みきれないので、
斜めつかみにして角のところから、口にそそぎ込んでいる。
どっと、
品位が落ちた。
そうそう、丼の計画性の話だったのに・・紙面が尽きた。
又、明日・・