<ポンフー>は、澎湖と書く。
台湾の西岸から、50キロの距離にある、
大小90からなる島々である。
馬公(マーコン)市内に、ホテルをとった。
街を歩いてすぐに気付いた。
ココは観光地だ。
観光客目当てのお土産屋や、
レンタルバイクの店が林立している。
まずは、海を見にゆくためにタクシーを雇う。
雇うと書いたのは、意味がある。
この島のタクシーには、
料金メーターがない。
すべて
交渉。
一回乗ったらいくら?
この位の距離で、この位の時間だから、いくら?
ただし、運転手は良心的でインチキしない。
というより、インチキしてくれても許すほど、安い。
海に着いた。
ガ~~~ン!
強風を見慣れている、我々ウインドサーファーの頭の上に、
ガ~~~ン!の文字が並んだ。
凄まじく風がうなっている。
懐から風速計を取り出し、風上に向ける。
33ノット(16m)だと、数字が示している。
滝田君が、隣で、上着をバタバタいわせている。
なんと、風に向かって斜めに立っているのだ。
アナタに訊きたい。
風を受けて、身体を斜めに倒した経験がありますか?
あるというなら、この位倒した事がありますか?
この風が、ポンフーのレギュラーな風だと言う。
言っているのは、
海の傍に立つセーリングセンターの会員だ。
この島は、公の機関が、
ウインドサーフィンを応援してくれているらしい。
ウインドサーファーにとっては、夢のような島だ。
ウインドを長くやっていると、強い風の表現に敏感になる。
強風、暴風、烈風、爆風、弩強風、
しかし、我々がこの島で見た漢字は、違った。
私達は、この言葉をおおいに気に入ったのである。
と同時に、こののち、その言葉が正しかった事実に、
驚きおののくのである。
《
風狂吃澎湖》 (風が狂いふくポンフー)