「ハッピーニューイヤー」
そのまま訳せば、「あけましておめでとう」
ところが、私の場合、違った意味も持っているのだ。
川平ジェイとのミュージカル<フロッグとトード>を
ほぼ毎年やっている。
稽古を入れると、3か月以上一緒にいる。
プッ!
ジェイが放屁した。
するとすかさず、奴がのたまう。
「
ハッピーニューイヤー!」
『なにそれ?』
「アメリカでは、屁をこいたら、そう言うのサ」
『日本では、失敬とか失礼と言うぞ』
「それだと、かえって失礼だから、楽しく誤魔化すのサ」
ブッ
「ハッピーニューイヤー」
『あれ、他人がしても言うんだ』
屁が出たら、「おめでとう」と言われるなんて・・
ん・・?なんか似た体験があったな。
盲腸の手術をすると、入院数日目に、屁が出る。
それは
完治したという合図である。
看護師さんや医者がやってきて、
「おめでとうございます」と讃えてくれる。
屁が出て喜ばれる生涯唯一の経験と言っていいだろう。
でだ、ジェイとの生活が3カ月に及ぶと、それ相当の数の
「ハッピーニューイヤー」を聞く羽目になる。
言う羽目にもなる。
すると、私の中で、その言葉は、正月用語でなくなっていくのだ。
ほぼ、屁に関わる熟語としてすりこまれている。
はい、今朝だ。
「あけましておめでとうございます」
「おめでとうございます」
「ハッピーニューイヤー」
なぬっ、誰ぞ、
こいたとナ?
条件反射とは恐ろしいもので、ついいぶかんてしまう。
「ハッピーニューイヤー!」
深夜12時のカウントダウンなんて出た日にゃ、
「放屁。放屁!」の大合唱である。
え~と、正月から、品の無い話でまことに申し訳ない。
では、今年もよろしく。
「ハッピーニューイヤー!」
あっ、ちがうよ、今のは・・