~昨日から続き~
「おお~噴火口跡だあ~!」
<皮子平> (かわごだいら)
そこは、桃源郷だと、地元の方が言う。
直径700mほどのすり鉢状の噴火口が、
空に向かってポッカリ。
ブナとヒメシャラの木が林立している。
<ヒメシャラ>
サルスベリに似た体表を持ち、
美しい黄金色に輝く樹木だ。
スラリと真っ直ぐに伸び、桃源郷の主役を演じている。
「さあ、昼飯だあ~」
噴火口の真中で、ビニールを広げ、どっかと座る。
オニギリを頬張る。
山の中のオニギリは美味い。
山では、やはり、
手で持ってかぶりつく食べ物がいい。
弁当箱にハシでは、美味さが半減する。
ガブリ、むしゃむしゃ・・コレが一番だ。
「ねえ、なんか寒くない?」
確かに寒い。
稜線で風に当たっていた時より寒い。
稜線は風に当たって寒いから、
噴火口内で、昼飯にしようと決めたのだった。
だのに、寒い。
答えは簡単だった。
噴火口は盆地だ。
周りは雪が積もっている。
その冷気が、一番下に溜まっているのだ。
冷蔵庫も、一番下の段が最も冷えると言うではないか。
馬鹿だった。
我々は、今回の山行きで、わざわざ
最も寒い場所を選んで、
昼飯を食ったのだ。
「さあ、ゆっくり休憩・・」
などもっての他だ。
食べ終わるや、すぐに出発。
だって、0℃切ってるんじゃない?
「コレは何?」
おお、コレは!
隊員が、見つけたのは、今では滅多に見られなくなった、
希少なキノコ・・
《
サルノコシカケ》
登山道から、少し外れた場所にあり、
採られずにいたらしい。
漢方薬の材として、高価なサルノコシカケ発見!
カメラにおさめて、そのままにしてきた。
場所は内緒だネ。