チョウザメ
「新日鉄釜石の鉱山の地下にネ、昔潜ったんですよ」
喋っているのは私だ。
喋っている場所は、三陸鉄道、釜石駅の待合室だ。
喋っていたのは2年前だ。
「そしたらネ、千メートル以上深い地下に、
まっ白い石灰岩の美しい
地下ドームがあったんですヨ!」
ポンポン
肩を叩かれた。
振り返ると、オジサンがいる。
『その地下ドーム・・行きます?』
「えっ・・えっ・・?」
聞けば偶然にも、そのオジサンが、以前私が地下に行った時の、
相談役だったのだ。
「い・行けるんですか?」
『行きたくなったら、私にお電話下さい』
名刺をいただいた。
釜石の様ざまな物産品を扱っている方だった。
水から、キャビアまで幅広く販売していると言う。
行ってきなさい・・と、キャビアの養殖場を教えてくれた。
夜、海に面したホテルに宿をとった。
近所の飲み屋さんに、サンマの刺身を食べにいった。
あまりの旨さにオカワリをしてしまった。
そのサンマが住む海が悪さをしたのか・・
テレビで見た限りでは、ホテルは残っていた。
なんとか避難出来たでしょうか?
なんとか・・