<恋し浜駅> (
こいしはま)
三陸鉄道に乗っていると、この名前の駅が現れる。
元々は、<小石浜>と書いたそうなのだが、
「おっと、コレはいけるんではないか!」
発想の豊かな地元の方が、
恋し浜と改名した。
小さな駅である。
駅舎の中に、地元特産のホタテの貝殻が置いてある。
観光客は、そのホタテの殻の裏に、マジックや墨で、
文字を書く。
<○○と○○結婚するよ~>
<○○いつまでも・・>
<永遠の愛を・・>
<けんじろう、見参!>
何百ものホタテが吊るされている。
「この下の漁港に行ったら、面白いべサ」
駅のお母さんに勧められて、海岸にある漁港に向かう。
近海で獲れた、魚や貝を、炭火で焼き、
踊り食いしていた。
仲間に入れて貰った。
文字通り、
踊り食いした。
つまり、踊りながら食った。
日本の最近の漁港にしては、若者が多かった
18~30代の若者だった。
言葉少なながら、ちょっと突けばいつでも笑いが爆発しそうな
エネルギー溢れた若者だった。
アレだけ海のそばだったら、海の知識は豊富だよネ。
父さんや、爺さんに聞いてるよネ。
きっと、うまく逃げたよネ。
逃げたよネ。
いつか会おうネ。