うかつだった。
日本三景には、すべて訪ねているつもりだった。
一つ忘れていた。
<安芸の宮島>
広島県の観光地、宮島を忘れていた。
海の上に立つ宮島に行くのを忘れていた。
いや、忘れていたのではない。
とっておいたと言い方を変えよう。
それくらい気になっていた。
で、ついに訪れた。
びっくりした!
もの凄く、びっくりした!
《宮島は、
島だった》
宮島という観光地は、
宮島という名前のブランドの場所だと、
誤解していたのだ。
あの海に浮かぶ鳥居を見て、
広島沿岸の浜辺から沖に、ちょいと出た鳥居だと、
誤解していたのだ。
(え~違うのお~?)
と思ったアナタ、正直に謝りなさい、宮島に。
さ、ここから読み進める前に、ペンと紙を用意して、
広島県を書き、宮島の位置を書いてごらんさい。
どういう向きになってるか、鳥居を書いてごらんさい。
ごらんさい。
書けた方から、読み進めてよござんすヨ。
「イシマルさん、
宮島(みや
じま)と言うとるんじゃから、
島に決まっちょるじゃろ!」
同行の地元のタメトウさんが諭す。
私が反論する。
『うん・・でもね、広島は島ですか?』
「あんだってぇ?」
『鹿児島は島ですか?』
「はあ・・?」
『徳島を島と呼びますか?』
「あぁ・・・」
『つまり・・宮島だから、島とは限らないんです。
ついでに、富山は山ですか?』
「・・・」
『
宮島を島だと知らなかったからと云って、
糾弾されなくてもいいと思うんです』
「ほれより、山に登ろうデ」
えっ、山があるの?この島に?
タメトウさんが言うには、
<弥山>(みせん)なる山があるという。
若い頃に登った覚えがあるという。
よし、行こう!
鳥居の向こうの景色は北である
対岸に見えるのが、本土 右上が広島市