「うわっ、腐ってるぅ~!」
冷凍庫が一大事である。
我が家も、もれなく節電に励んでいる。
あっちゃこっちゃの電源を入れたり消したり・・
そんな折、どうやら、
マイナス20度を保つ冷凍庫の電源を、
誤って切ってしまったらしい。
「なんか、臭くない?」
鼻をクンクンしながら、たどり着いたのは、
台所の冷凍庫だった。
フタを外すや、異様な匂い!
スワッ、てえへんだ!
中に入れてあったモノを思い出す。
<マグロの尾の身>
マグロを品定めする時に、切り離す
尾っぽだ。
直径は15センチほどあり、
4人前の刺身と焼き物がとれる。
その歯ごたえと旨味は、ナカヒラ君をしてこう言わしめた。
「内緒にしとこうネ」
<アカモク>
秋田県では、ギバサと呼び、春先の海草である。
熱湯で、湯通しし、細かく叩けば、
ネバリのある食材になる。
そのネバリは、
納豆より、モロヘイヤより、山芋より強く、
ツッシーをして、こう言わしめた。
「皆に教えましょうネ、海に大量にあるから」
<釣りエサのオキアミ>
鯛を釣りに行く時に、撒き餌に使う小エビである。
こいつは、解凍すると、匂う。
その匂いがイヤで、船酔いする輩もいる。
腐っていなくても、
それなりの匂いを発する。
よもや腐ると、
それどころじゃない匂いに変貌する。
冷凍庫のフタを開けた途端、
原始の荒野に放りだされた気分になった。
周りに、ライオンやハイエナが闊歩しているのではないか?
ハゲタカが空から狙っているのではないか?
奴らは、こんな匂いを、
「旨そうだ」と感じているのだろうか?
凄いな・・野生って・・