この一週間、隠岐の島を褒めてきたつもりだった。
良い島だと、もろ手を挙げて勧めてきたつもりだった。
そんな島を去るのは淋しい。
しかも、
船の別れだ。
ボオ~~!
汽笛の響きの余韻が、隠岐の港に広がり、
手を振ってくれる人たちに、ただただ、うなずく。
船の別れはつらい。
いつまでも、その姿が見えている。
昔々のように、色テープでつながっていれば、
ポロリ・・
涙がこぼれたに違いない。
「サヨナラ」の区切りが付けがたい。
それでも、肩をふりきり、
歯を食いしばり、船内への扉を開ける。
ガチャリ・・
するとそこに、売店があった。
こんなものが売られていた。
<牛のふんふん> 500円
うんがつくかも
そうきたか・・
おいらは、一応、感傷に浸っていたんだゾ。
だぶんだけんど、隠岐を離れる人は、
みんな感傷に浸っている。
島があまりにも素晴らしかったんでネ。
そこに、このお菓子だ・・
ん・・?
その横のは、なんだ?
<牛君のうれし涙>
こうもきたか・・
うん、わかった!
あなた方が、牛が大好きなのは解かった。
私もたぶん好きだ。
「隠岐の人は牛が好きだ!」
声を大にして、おおいに宣伝しよう。
牛が好きなんだよネ。
わかったから、
フンを宣伝大使に使うってのは・・
どうなんだろう・・?
鹿のフンを宣伝に使っている奈良とは、
意味が違うような気がするのだが・・
「牛馬のいる島は平和だで」
隠岐のマキを世話するオヤっさんの言葉が甦る。
通天橋(つうてんきょう)