<石灰岩洞窟>と<溶岩洞窟>
この違いが解かるかな?
決定的な違いがある。
石灰岩洞窟は、
進化している。
溶岩洞窟は、
時間が止ったまま。
石灰岩洞窟とは、水に溶けた石灰分が、
洞窟内で空気に触れ、
石灰分が固まってゆく現象が見られる。
各地の観光洞窟で、
石筍やツララ石の不思議な形に魅せられる。
1センチ石筍が伸びるのに、100年ほどかかる。
100万年、1000万年という単位で進化している。
では、溶岩洞窟とは何?
日本では、富士山の中腹や裾野で、大量に発見される。
溶岩が走り抜けた後に出来る、
空洞である。
例えば、1000年ほど前に出来た空洞に、
先日、入った。
広い所では、幅20mほど、高さ8mもある。
石筍もツララ石も何も無い。
数100m進んだ。
這って前進する場所もある。
空洞が出来た頃の落盤が原因だ。
空洞内に、日本火山洞窟学会会長の言葉が響く。
「この洞窟は、千年前となあ~んも変わっとらんのヨ」
『何も?』
「全く、同じじゃな」
『全く?』
「あと千年経っても、変わらんのヨ」
『うっそ!』
「地球上でこんな場所は無い!」
『ほんとに?』
「いうなれば、地底の
タイムカプセルじゃな」
火山洞窟が大好きという会長さんは、
なぜか、石灰洞窟に興味がないと言う。
「アレは、コロコロ変わるでのぅ」
いえいえ、何万年単位なので、
コロコロは変わらないと思いますよぉ~
「ああ~美しいなあ、感動するなあ~」
いつまでも、いとおしく空洞を見つめる会長さんであった。