「あそこに見える山に、登りに行こう!」
午後の日差しを浴びながら、突然思い立った。
自宅から見ると、遠くに薄っすら浮かんでいる山がある。
山の名前は、<城山(しろやま)>
標高376m
陽射しがきついので、麦わら帽をかぶる。
地図もなく、登山口もわからず、出かけたが、
さすが、城の山と云うだけあって、道がしっかりしている。
戦国時代に、城が建っていたそうだ。
真夏なのに、樹林帯はヒンヤリと涼しい。
案内表示通りに登ってゆくと、やがて頂上に辿り着いた。
ま、ここまでなら、何も、ご報告するほどのものではない。
何やら、雲行きが怪しくなってきた。
暗雲立ち込めるとは、このことか・・
ポツリ、水滴が落ちてくる。
「ま、大丈夫だ、雨降っても、生い茂る木々のおかげで、
下まで落ちて来ない」
実際そうだった。
雨の音はすれど、濡れる心配はなかった。
・・最初のうちは・・
山を下るに連れて、雨脚が激しくなる。
「やっぱ、少しは濡れるな」
負け惜しみをつぶやく。
ザザザ~~~
もの凄く、強い雨になった。
「ま、そのうち止むだろう」
ジャバジャバジャバ~~~
土砂降りの豪雨になってしまった。
「このまま、お風呂屋さん、行こうかなあ~」
山を降りた私の身体は、ずぶ濡れであった。
ならば、いっそ