<新倉掘抜き>(あらくらほりぬき)
ついに、トンネルの前に、
イシマル探検隊はやってきた。
「お願いします、見学させてください!」
500円とられた。 洞窟トンネルの入り口は、
なぜか、料理屋さん、ほうとう屋の一階である。
トンネルのジオラマの前で、
おばちゃんが、延べ棒を振って説明をしてくれる。
喋りが流暢だ。
さほど客がいないだろうと推測される割には、
流れるように、単語が出てくる。
恐らく、本日の客は、我々だけであろう。
「コチラへどうぞ」 ソチラには、当時の掘削風景が、
アリの巣穴の標本風のジオラマで表現してある。
「アチラへどうぞ」
アチラには、掘抜き労働者が、
佐渡の金山風の人形劇で、厳しさを見せてくれる。
「ここからが、トンネルです」 おお~っ、寒っ!
トンネルはもれなく涼しい。
最初の内は、立って歩ける。
そのうち、低くなるらしい。
『4キロ行けるんですか?』
懐中電灯を持参の我らが質問する。
「いえ、100mくらいは行けると思いますが・・」
『その先は?』
「落盤がねえ・・」
『落盤してるんですか?』
「空気穴が全部で、15あったんですが・・」
『ですが?』
「全部埋めてしまったらしいんですヨ」
『なんと!』
「たぶん、ずっとは行けないと思いますネ」
『思いますって?』
「出口は解ってますけんどネ」
『教えてください!』
トンネル探検は、
装備不足ゆえ、50mで引き返す事にする。
よし、出口捜査を陸上から行おう!
『ところでぇ~この先、進んでもいいんですか?』
「ええまあ、命の保障はしませんけどぉ~」
ヒエ~~~! 出口発見
by ishimaru_ken
| 2011-09-01 07:57
| 謙の発見!
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