<曜日>がわからない。
何曜日なのか、じっくり考えないと答えられない。
曜日によって左右されない俳優業をしているセイか、
30代の頃から、
今日が、何曜日だかわからなくなった。
わからなくても、さほど困らない。
どうしても、知りたい場合は、
随分前の特定日から、計算する。
「え~と、7月の1日が、確か金曜日だったから・・」
延々、さかのぼって計算するのである。
これはこれで、面白い。
しかし、困る事が起こる。
今ではない。
将来、起こるに決まっている。
我が母親は、年に何度か、認知症の検査をしている。
いや、させられている。
「は~い、今年は平成何年ですか?」
簡単な質問をされる。
これに答えられないと、ポイントが下がる。
認知がススんだと判断されるのだ。
「はい、今日は何曜日ですか?」
『え~と、わかりません』
答えた途端、チェック表に、バツ文字が記されるのだ。
これが困った。
私は、現在すでに、曜日がわからないのだ。
将来、わかる筈がない。
これだけで、ポイントを失ってしまう。
「実は、職業柄・・」
などという言い訳が通じるだろうか?
だから、今のうちから用意しておかねばならないだろう。
胸に、札をつけておくのだ。
《私は、30才の頃から、曜日がわからない大人です》