ラグビーの話を、再び。
今日は、審判を見てみよう。
ラグビーは、紳士のスポーツと呼ばれる。
不文律の法律を有するイギリス発祥ということで、
マナーが重んじられる。
そこで、審判だ。
ラグビーの審判は、特殊だ。
試合中、選手に、多くの事を話しかける。
「おい、オマエ、オフサイドポジションだぞ!」
「手を使うな」
「そこ、出てるゾ」
「喋るんじゃない!」
親切という表現をすれば、異常なまでに、親切である。
サッカーで、
「君、そこはオフサイドポジションだよ」
とは言ってくれない。
「野球で、今、サードが隠し玉持ってるヨ」
とは言ってくれない。
ところが、ラグビーの審判は、教えてくれる。
本人を指差してまで教えてくれる。
「イシマル!君は、違反ギリギリだぞ!」
そこで、私は、違反をとどまる。
悪い事をしないよう、自粛する。
グッと我慢する。
そうなのだ。
ラグビーの審判は、不文律を教えてくれるのだ。
《人間として、やっちゃいけない事》
を教育してくれるのだ。
そのセイだろうか・・
ラグビーの審判に逆らう選手はいない。
抗議すらしない。
もし、サッカーでよく見られる、
詰め寄り、突き飛ばし抗議をしたならば、
その選手はどうなるだろうか?
イエローカード?
レッドカード?
いえいえ、生涯、選手生命を絶たれるのです。
マナーを守るのが、ラグビーというスポーツだ。
ちなみに、40年前の日本では、
審判は、当然マイクを付けていない。
選手も、マナーなんか知ったこっちゃない。
その頃、審判の言葉も辛らつだった。
「こりゃ~今、蹴ったヤツ出て来い!
バカたれがぁ~、
今度やったら、ブチ殺したるぞぉ~!
おまえか、イシマルぅ~!
ちょっとこい!」
バチン!
審判に殴られたのである。
福のいる鬼瓦