なあ~んと!
「イシマル探検隊、集合!」
又々、集まれが、かかってしまった。
かかったものの、集まったのは、やはり、滝田隊員だ。
「やはり、とは、何だヨ!」
アゴを突き出している滝田くんに、
本日の目的を告げる。
《三浦富士縦走》
神奈川県の三浦半島を、
東京湾から、相模湾まで縦走しようというのだ。
「隊長、コレって、しょっちゅうやってるじゃない?」
『うむ、そうだな』
そうだなと言いながら、我々は、三浦富士を登り、縦走し、
相模湾にまで到達した。
そこで、隊長の頭に、電灯が灯った。
「そうだ、岩礁を歩こう!」
相模湾側に到達したからには、
この波打ち際を、北上すれば、
三崎港に辿り付けるのではないか?
そうすれば、先日来、歩き続けている岩礁地帯を、
完全踏破できるのではないか?
地図が繋がるのではないか?
「ないか?」
が、頭の中で渦巻いた。
「よし、岩礁を北上だあ~!」
『は~い』
さっきまで、山に登らされていた滝田くんは、
無理やりの、岩礁歩きにテンションが挙がる!
隊長のテンションは、洞くつで挙がる。
「洞くつだ!」
「トンネルだ!」
「斜め洞くつだ!」
「子供洞くつだ!」
「バランスブリッジだ!」
しかし、名浜から、水戸浜に向かう途中で、
「最早これまで!」
という箇所にぶつかってしまった。
水中に崖が没して、しまい、泳ぐしか方法がなくなった。
仕方ない。
「泳ぐか?」
『いやだ』
会話は短かった。
我々はは、そそくさと、迂回し、先を急ぐ。
しかし、さらに、川に、行く手を阻まれてしまった。
「泳ぐか?」
『いやだ』
我が探検隊は、かなり無茶苦茶な様相を見せてきた。
山→道路→岩礁→畑→岩礁→人んチ→岩礁→工事現場→駅
そうなのだ、最後の最後に、京急電鉄の終着駅、
三崎口駅にたどり着いた。
歩行距離、22キロ。
・・6時間。
ほえ~~
帰りの列車に揺られながら、二人が同時にポツリ・・
「列車って、早いねぇ~」