ダシをとる時に、使うもの。
<トリガラ>
スーパーに行くと、トリガラが丸ごと売られている。
極端に安い。
あまり買う人が、いないのか、2~3匹分しか売っていない。
買い求めて帰り、鍋に放り込む。
グツグツ煮出す。
いいダシが出る。
さて、アナタは、このトリガラをどうしています?
私の場合・・
コレが、好物なのである。
丸一日煮込んで、ダシガラになった・・
言ってみれば、
カスである。
世間的には。
しかし、私的には、
宝物なのだ。
皿に盛り、かぶりつく。
手で掴み、ムシャムシャやる。
骨に付着した、少量の肉片と、ナンコツ。
コリコリコリ・・・
骨を一本一本、歯でこすり、薄皮を剥がしてゆく。
あれほど煮込んだにも拘わらず、
まだまだ、旨味が染み出てくる不思議な物体だ。
ネックの部分などは、まどろっこしくて、
肉を剥がすのが難しい。
途中から、歯で噛み砕く。
ガシガシガシ・・
ピ~ンポ~ン
そんな時、友人が訪ねてくる。
ダシガラと格闘しているイシマルに目をやる。
彼の頭に、言葉が浮かんでくる。
<さもしい>
やがて、映画の題名も浮かんでくる。
<フランダースの犬>
老人と少年が、3日間、同じ骨を、
煮込んでは、ダシを飲み、
煮込んでは、しゃぶっていた光景を思い出す。
「やあ、よく来たね、一緒に食べるかい?」
高級な日本酒を抱えてやって来た友人は、
回れ右すべきかどうか、ためらっているのだった。
トリガラの一部