スポーツ番組を観ている。
テレビをつけたら、下に文字があった。
『番組が早く終わりましたので、
ダイジェストを英語放送でお送りしています』
この文字が、常に、テレビ画面の下に張り付いている。
ああ、そうですか・・
ま、アメリカンフットボールだから、英語でもいっか。
食い入るように観ている。
実況アナウンスが、英語を喋りまくる。
ここで、私の眼球が、日頃の習慣を繰り返す。
つい、下の文字を見てしまうのである。
見たところで、最初に書いてあった文章に変わりない。
『番組が早く終わり・・・』
「ああ、そうか・・」
小さな反省をしながら、再び画面に食い入る。
英語実況が続く。
つい、又、下の文字に目がいく。
「ああ、そうだった」
(バカだね、オレって)
一応、反省をしながら、試合に戻ってゆく。
英語実況が、かしましい。
つい、下に目がゆく。
「ああ、又やっちゃったネ」
(おバカ極まりないネ)
《英語(外国語)が流れると、字幕を見る》
という、極めて強引な習慣を、
長い年月の間に獲得してしまったのだ。
下に、白い文字があれば、素直に見てしまう。
読んでしまう。
さっき読んだと分っているのに、読んでしまう。
何回でも、読んでしまう。
読んでいる途中に、やっと気付く。
(ああ、バカだね、オレって)
私の、3大<パブロフの犬>に入れたい。
1位はなんと言っても、<梅干>だ。
今、そう書いただけで、ビチョビチョになった。
2位は、いつか書こう。
3位に、堂々とランクインしたのが、本日の、
<テロップ>である。
何を隠そう・・
10回は読んだのだから、パブロフの勝ちである。