Y子はある時、ボクシング教室に通おうと考えた。
ボクシングも今や、ダイエット作戦で生徒を集めている。
「シェープしたい!」
女性がフラリと入会するのに、なんの抵抗もなくなっている。
Y子も、そのつもりで、扉を叩いたらしい。
入会したジムは、今時珍しく古い建物で、
明日のジョーの丹下会長が出て来そうな、
超のつくストイックなジムだったそうだ。
シャワールームも、こ汚く、
汗の臭いがジム全体を覆っていたそうだ。
日にち経過・・・
さてしばらく、ボクシングジムに通い続け、
グローブを買ったというY子に様子を尋ねた。
「なんかやってみな」
早速、シャドウボクシングをやってみせてくれる。
シュッシュッシュッ
ん・・?
何か違う・・・?
シュッシュッシュッ バシッバシッ
シュッは分かるが、バシッは何?
なんと、足を振りまわしているではないか!
「ねえねえ、蹴ったら駄目でしょ、ボクシングは」
『だって、こう教わったもん』
この時、私は理解した。
Y子が通っていたのは、<
キックボクシングジム>だったのだ。
最初に入会する時、間違って門を叩いたのだ。
ボクシングとキックボクシングの区別がつかず、
誤って扉をあけたのだ。
「たのもう~」
確かに、女性は格闘技に、うといものだが、
気付かないかなあ~?
ま、どっちでもダイエットになるなら、別にいいけど・・
それにしても・・
そんなヤツいるぅ~