終着駅というのは、趣がある。
ループを描かない限り、
これ以上列車が進めない線路は、魅力がある。
最果ての印象が、その駅を包んでいる。
さて、神奈川県の京浜急行の支線にも終着駅がある。
<浦賀駅(うらが)>
「浦賀って、あの浦賀ですか?」
膝を乗り出したアナタは、えらい。
そう、あの浦賀だ。
幕末に、ペリーさんが、蒸気船を操って、
開国を迫った場所だ。
「じょうきせん、たったシハイで、夜も眠れず」
(じょうきせん=お茶の名前)
江戸の町で、ウタにも詠われた黒船だ。
その黒船の名前は・・
<サスケハナ号>
サスケマニアが泣いて喜びそうな名前である。
当然英語名なのだが、なぜか、サスケが付いている。
さて、肝心の浦賀駅に行ってみた。
最近の駅は、独自性を演出して、
列車がホームに入ってくると、音楽が鳴る所が多い。
浦賀駅も、独特のメロディが流れていた。
曲風は、可愛らしい音色で奏でられている。
「ん~とね、この曲・・なんだっけ?」
どこかで聴いたメロディだ。
可愛らしい曲なんだけどぉ・・
なんだっけ?
アッ思い出した!
思い出して、なぜ、思い出しにくかったか、分った。
原曲は、可愛らしい曲ではなかったのだ。
<ゴジラのテーマ>
♪~ダダダン ダダダン ダダダダ、ダダダ~♪
あの怖~い重低音のメロディである。
それをメロディだけそのままに、
可愛らしい楽器演奏で流している。
ホームを歩いている人達は、果たして気付いているのだろうか?
ん・・?
浦賀って、ゴジラに襲われたっけ?
そうか、確か第一作か、第二作で、
ゴジラが海から上陸したのが、浦賀だったナ。
ペリーにならって、やはり、襲来は浦賀が受け止めている。