Y子は、時折、一人旅をする。
数年前、旅立ったのは、沖縄の八重山諸島。
<小浜島(こはまじま)>
西表島の東に位置する、とても小さな島らしい。
人口もわずか。
さて、その島を、プラプラとY子が歩いていると、
すれ違う島のお婆ちゃんやオジチャンが、
皆、挨拶をしてくれるという。
ま、田舎に行くと、よその人には、
たいがい挨拶をしてくれるもんだ。
っと、思っていたら、どうもそうではないようだ。
お婆ちゃんなどは、近寄ってきて、モノを呉れるのだ。
飴玉を手の中に握らせてくれる。
挨拶も、深々とオジギをしてくれる。
いったい、コレって何?
Y子の疑問は、立ち寄った御土産屋さんの店で判明した。
絵葉書好きなY子は、ここでも、数枚の絵葉書を手に入れた。
っと、その中に、見たことのない人物が・・
<
ミルクさま>
この地方の神様らしい。
ミルクとは、恐らく、<弥勒(みろく)>が
訛ったのだろうと、推測できるが、
なんと!
そのミルクさまに、Y子はそっくりだったのだ。
Y子の似顔絵を描くと、
ミルクさまになる。
住人にとっては、町の中を、尊いミルクさまが、
プラプラ散歩しているのだから、
それはそれは、
ありがたくめでたい事に違いない。
まさに、<生きミルク様>にお会いしたのである。
思わず、オジギし、お供え物を供なえたのである。
ふ~~ん、この現代にねぇ・・