あけまして おめでとうございます
さて、さっそく!
《蕎麦と富士山は、歳をとるほど、味わい深い》
アナタにとって、「蕎麦がうまい」と思えたのは、
いつだろうか?
アナタにとって、「富士山が美しい」と思えたのは、
いつだろうか?
「富士山は、もの心ついた時から、綺麗だっただら~」
静岡のかたに、叱られそうである。
「蕎麦は、離乳食じゃあけ、ずっとうまいでのぉ」
信州のかたに、こごとを言われそうである。
では、仮にアナタを60才だとしよう。
アナタが20才の時に食べた蕎麦と、
60才の時に食べた蕎麦はどちらがうまいですか?
これが、トンカツだと話は簡単だ。
20才で食べたトンカツは、すこぶるうまい。
ステーキも、20才のステーキは、
体全体が「うまい!」と打ち震える。
で、蕎麦だ。
あの微妙な味わいを、知りうるには、時間がかかる。
ほのかな香り、かすかにノドをこする食感。
蕎麦のワビサビが、
脳に届くのに、大げさな表現をすると、
数十年の歳月を要する。
「10年や20年で、届くと思うたら、あかんよ」
蕎麦通に、にらまれそうである。
「10年や20年で、富士山を美しいと思うたら、あかんよ」
『えっ、そうなんですか?』
「富士山はナ、元々美しい山なんヨ」
『はい』
「でもな、あんたが二十歳の時に見た富士山より、
もっと美しい富士山があるんヨ」
『どこにですか?』
「どこじゃない、それはナ・・あんたの、
生きていく明日にあるんヨ」
今年も、富士山で始まった、このコーナー。
アナタの明日に、楽しいひとときを・・・