「バッコウになります」
「ねえねえ、バッコウだってさ」
「又、バッコウなの?」
バッコウと聞いて、今、ドキッっとした方は、
島暮らしの方だな。
日本のあまたある島々には、定期船が就航している。
大型船が貨物と客を積んで、毎日港に入る。
はずだ。
ところが、強い風がピューと吹くと、海は荒れ、
港に入れない島がでてくる。
すると、船会社は、どうする?
入港を諦めるのだ。
港を抜く・・・すなわち、
<抜港> ばっこう
「ああ~バッコウか・・」
船に乗れなかった島の人は、まだいい。
問題は、すでに船上の人だ。
「ええ?バッコウなの?」
降りたい島に降りられない。
ただし、そのまま、乗り続けていれば、
船はグルグル巡って、再び、その島に着く。
料金もそのままだ。
しかし、よく考えて欲しい。
バッコウしたのだ。
そのくらい海は荒れていると、船は叫んでいる。
大型船が、木の葉になっている。
口から、泡を吹き始めている。
そんな時、思い出させるように、言葉がとぶ。
「バッコウ!」
この語感が船酔いに追い討ちをかける。
バッっと 口から、モノが飛び出る様子を表現している。
バッコウ・・バッコウ・・
うぅ、気持ち悪ぅ・・
by ishimaru_ken
| 2012-01-12 08:44
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