イワシを焼いた。
刺身にも出来る新鮮さがあったので、レアーにした。
イワシでも牛肉と同じ<レアー>を使っていいのか不安だが、
生に近い焼き方をした。
ただし、
腹の部分はしっかり焼く。
その為には、何気なく魚焼き器に放り込んではいけない。
イワシの腹を上にして乗っけるのだ。
コレが難しい。
なんせ、イワシは丸いと言ったって、
断面は楕円形をしている。
すぐに横になりたがる。
どこかのお父さんと同じ体質だ。
そこで、イワシを焼く場合には、2匹以上にする。
それぞれが、お互いを支えあうのだ。
腹を空に向けて、日光浴をさせる。
どこかの夫婦に似ている。
さて、イワシが焼けた。
箸でつつく。
私が、つつき始めると、あっという間に、こうなる。
食事というより、理科の実験だ。
さらに、こうなる。
今日は、このくらいで許してやったが、
飲み屋では、皿の上から何も無くなる。
片付けにきたお兄ちゃんの目がまん丸くなる。
お兄ちゃんの目はこう言っている。
「ツマとか、葉っぱとかは?」
対する私の目は、こう言っている。
「ケッ、なんなら、皿も食ってやろうかい!」