私の寝所はベッドである。
畳ベッドの上に、布団を敷いている。
グウグウグウ・・
それは、夜中に起きる。
ドダンッ!
コレは、
人間がベッドから落ちた音である。
寝返りを打った私が、ベッドから落ちたのである。
私は、恥ずかしさのあまり、床でうずくまっている。
なぜ、そんなことが起きたのであろうか?
今日は、その検証をいたそう。
まず、標準のベッドを思い浮かべてほしい。
そのど真ん中で寝ている。
横を向く。
腕が横に伸び、
手首の先がベッドからとび出している。
この状態からでは、間違っても、落ちる心配はない。
右にも左にも寝返りをうっても、落ちやしない。
人は、無意識の内に、ベッドの領域を把握している。
ところが・・
時折、それもほんの時折・・
背中がベッドのハシっこに近づく時がある。
その夜、何が悲しかったのか・・
片側だけに、体をズラして寝続ける時がある。
ズル~ズル~
知らぬ知らぬうちに、ベッドのハシっこに、
背中を近づけて、寝ている。
上から眺めると、
背中の線と、布団の端っこが、ほとんど一緒!
さあ、そこで、私は寝返りをうつのだ。
すると、どうなる?
何も掴まる所のないベッドのフチから、
ドウとばかり落下するのだ。
面白いことに、その落下中に、私の脳が目を覚ます。
「ああああ~落ちてるぅぅぅ~~」
ドダンッ!
冷たく固い床に背中とお尻を叩きつけ、
しばし、呆然としている。
そして、
恥ずかしさに・・・
あまりもの恥ずかしさに、ジッとしているのだ。
《ベッドから落ちた》という、お馬鹿な行為に、
身も心も縮んでいるのだ。
この恥ずかしさは、ご飯を食べようとした時に、
誤って、箸を鼻にぶつけてしまった時の恥ずかしさに、
準じていると言っていいかもしれない。
「え~イシマルさん、鼻にぶつけた事あるんですか~?」
ないよ!!!