「服を脱ぎ散らかしてぇ~」
昔から、叱られる。
部屋の中のアチコチに、脱いだTシャツだの、
ジャージだの、上着だのが落ちている。
もしくは、イスに引っ掛けられている。
さすがに、下着は落ちていないが、見苦しい。
しかし、名誉の為に述べておきたい。
アレは、
脱ぎ捨てているのではないのだ。
まだ、洗濯機に放り込むには、しのびない状態なので、
待ってもらっている状態なのだ。
ちょいとコンビニまで行く為に、着ていったTシャツを、
すぐに洗濯機に放りこむのが、しのびない。
ほとんど汗もかいていないTシャツを、
大量の水で洗ってしまうのが、しのびない。
地球にやさしくないではないか。
一見、脱ぎ捨てている様に見えても、
それぞれには、ランクがある。
床に落ちているモノは、洗濯機入りに非常に近い。
イスにかけられているモノは、汚れ度が少ない。
ちゃんとハンガーにかかっているモノは、
衣装タンスにあるものと、同等のランクにある。
ただ、いったん衣装タンスから引っ張りだしたものを、
戻すのもいかがなものかと、躊躇しているワケだ。
逆に、洗濯機のふちに、かけられているモノなどは、
ほとんど諦めてしまった衣服だと言える。
さあ、そこでだ・・私的には、こんなモノが欲しい。
衣装タンスと洗濯機の中間に位置する存在だ。
まだ洗濯機に放り込むほど汚れてはいないが、
衣装タンスに戻すのが、はばかれる服入れ場。
服の待合所と言おう。
ちょっとだけ着てしまったジャージなんかを、
服の待合所で、待機させるのである。
次に必要な時、
わざわざ洗いたてのジャージを手に取るのではなく、
待合所で待っているソイツに、気軽に袖に通すのである。
(おっ、キミなら、思いっきり汚してもいいな)
待合所の服には、気軽感があふれている。
置き方なんかも、ざっくばらんだ。
ポ~ンと放り込んでもいい。
脱ぎ捨て感があっていい。
裏返りなんて喜ばれる。
ズボンの
筒状脱ぎなんて嬉しいナ。
「ゴチャゴチャいいから、洗濯機に放り込んで!」
『はい』